世の中にまだない製品の試作品を製作。技術をしっかりと身に付けられる環境
<カイシャの特徴>
●事業内容:商品化される前の試作品製作
●働く環境:まだ世の中にないものを作る
●育成制度:3年間はじっくりOJT期間
●仕事のやりがい:女性が いきいきと働ける環境
設計から試作、量産までを自社内で完結して
南デザインは世の中にまだない製品の試作品製作を行うものづくり企業。プラスチック樹脂を主な素材として、製造する試作品はOA機器、医療、最先端ロボットや電気自動車など幅広い分野にわたる。
顧客のあらゆる要望に応えられるよう、取り扱うことのできる製品を常に変化させていきファンを増やしてきたと話すのは製造部門責任者の武藤部長。
「 当社の強みは、試作品の製造だけでなく設計支援から製造方法の提案、さらに小ロット品の量産や塗装、金型作成まで、ものづくりにまつわる一連の流れを全て担うことができる点です。当社内で完結させることでスピードも速いですし、製造工程での手違いも少なくなるのです」
同社は祖業の木型製作技術をベースに、樹脂加工を行う会社としてスタートした。そこから顧客や時代のニーズに応じて、CAD/CAMや工作機械を次々と導入し、手掛ける製品の幅を広げてきたという。
「早く、きれいに、正確に」「できないは言わない」というのが、同社のバリューだと話す武藤部長。
「『できないは言わない』とは、下請として無理をする、ということではなく『どうすればできるのかを提案する』ということです。世の中にないものを作りたいから試作品が必要なので、できないと言ってしまっては新しいものを何も生み出せません。もちろん、技術的にハードルが高いことはありますが、お客様としっかり寄り添いながら、理想の試作品を作り上げています」

世の中の最先端の製品を 作ることがやりがい。社会の役に立つことを実感
試作品は未知のものづくりともいえるため、触れるのは最先端の技術やソリューションとなるものが多い。新しいものを作り出すこと自体が仕事のやりがいであり、自ら工夫することができる人材が活躍している。
「形状が難しい試作品を作る際に、自分で予測したとおりに素材が切削できると嬉しくなります。最初はうまくいかなくても試行錯誤を楽しむ姿勢が大切です」と話すのは、入社3年目、切削課CAM班で主に試作品のプログラムを担当する日下部さん。
また、医療検査で使用される製品の製造と管理を担当している入社2年目、切削課ASSY班の大和さんは「細かい作業が多く大変に感じることもありますが、社会に役立つものを作っていることに誇りを感じます」と話す。

先輩や上司がOJTでしっかりとサポート。様々な技術を習得できる
入社後の3年間はOJT期間として、じっくり新人を育てていくという同社。特に最初の半年は先輩や上司が付きっきりで指導を行うため、質問や相談がしやすく、簡単な業務を担当しながら少しずつできることを増やし、同社に蓄積された技術的な知見を業務内で吸収していく。
「入社当時は不良品をたくさん作ってしまったこともありましたが、その度に先輩たちがサポートしてくれて安心して働くことができました」(日下部さん)
また同社では、今年度から新しい人事評価制度を導入する。これまで社員が目指すのはマネージャー職だけだったが、技術をさらに極めるエキスパートコースとマネジメントコースの2通りのキャリアを用意し、社員の得意分野を伸ばしていくと話す武藤部長。
「今後は、組織づくりやマネジメントに関わる研修も取り入れていきます」

女性社員が各所で活躍中。ニックネームで呼び合いコミュニケーションを促進
ものづくりに興味があれば性別問わず積極的に採用をしている同社。女性社員はまだ全体の2割程度だが、設計、製造、品質管理などで活躍している。
「女性社員がさらに働きやすい環境になるよう、積極的に意見を出していきたいです」(日下部さん)
また、同社では技術職が働く環境の多様化に取り組んでおり、青梅市の本社以外にもサテライトオフィスを設け、CAD/CAMのプログラム職を中心に試験的にテレワークを実施している。
さらに、ユニークな取組として役職名で呼び合うことを禁止しており、社長や部長でも○○さん、もしくは名札に書いたニックネームで呼ぶ。これは社内のコミュニケーションを促進することが目的で、若い世代が働きやすい環境を目指しているという。
「皆がコミュニケーション研修に参加したこともあり、円滑な社内環境です。スケジュール通りに業務が進めば、普段は残業も少なく有給休暇も取りやすいです」(大和さん)

部長からのメッセージ
社員に求めるのは、まず、ものづくりが好きかどうか。様々なハードルを乗り越え、無事試作品が完成したときの達成感を味わってほしいと思います。

このカイシャが10秒でわかるムービー
ムービーはこちら

●第35号 (2023年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。