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ピースマインド株式会社

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若手の意見も積極的に採用 顧客の職場環境を人からよりよく

人の幸せにつながる事業を自社にも生かすストーリー
若手の意見も積極的に採用。顧客の職場環境を人からよりよく

カウンセラーから営業、オペレーター、エンジニア等まで、全従業員が一丸となって、「働く人が抱える『不』の解決」に取り組むピースマインド。創業から20 年、業界のパイオニアとして走り続けてきた同社は今、時代に沿った働き方を積極的に取り入れながら、顧客の課題解決につながる提案に力を注いでいる。

ピースマインド・イープ株式会社は、2019年8月にピースマインド株式会社へ社名変更

IT社会の大きな課題にいちはやく着目。「ストレス社会」に立ち向かうパイオニア


 E A P ( Employee AssIstance Program)とは日本語で「従業員支援プログラム」と訳される。前身の会社が創業した1998年頃、日本では年間の自殺者数が3 万人を超える深刻な問題が蔓延していた。それまでの労災といえば、作業中の事故・ケガだったのに対し、情報化が急速に進んだ90 年代~ 2000年代はメンタルヘルスが中心に。その中にあってアメリカで進むEAP を日本でも広めたいと荻原英人社長が始めたのがピースマインドの事業だ。
 「当時は心身に異常が現れるまで病院に行かないし、そもそもインターネットのインフラも整っていなかったため、専門家はいても見つけることが難しかった。まずはそのハードルを下げることから始めました」
 進化中だったインターネットを利用し、個人向けオンラインカウンセリングから法人向けへと事業を発展させ、日本におけるEAP のパイオニア的存在となった。

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相談の方法は、電話や面談など様々。(臨床心理士の資格をもつコンサルティング部の後藤麻友さん)

語学堪能・有資格。様々な専門スタッフが80万人をケア


 同社のEAPを利用する企業は全国に600社。約80万人の対象従業員の悩み相談に応じる。電話、カウンセラーによる面談、必要があれば医療機関の紹介もする。本社内にはカウンセリングルームを完備しており、資格をもった社員がカウンセリングにあたる。さらに外国人従業員に対応できる英語スタッフや、海外赴任中の従業員向け、また「いつでも相談できる」体制が重要と、アメリカやイギリスのEAP企業とも提携し、ネットワークを構築、日本語・英語で24 時間のシフトを組んでいるそうだ。
 相談オペレーターの須藤実璃さんは「お電話はクライアントが最初に私たちと接点を持つタイミング。不安を抱えて遠慮がちな声に、私の声でまず安心してもらえるように心がけています」とやさしくかつプロ目線で仕事にあたっていると話してくれた。

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「相談者のニーズは多岐にわたるので、マニュアル通りではなく、柔軟性を持つことも大切だと考えています」(コンサルティング部の須藤さん)

不安・不満・不平…。働く人の「不」を解決する仕事


 もう一つ同社を支える事業に「ストレスチェック」がある。契約企業の全従業員の結果をフィードバック。さらに分析結果から見えた組織課題の解決・予防の施策を提案し、必要な研修等のプログラムをコンサルティングしている。
 「ストレスチェックの義務化(50人以上雇用する企業が対象)に伴い、ご相談回数が増加しました。これからは、人に関するお客様の課題をトータルにお受けして、ソリューションを提案することが重要です。例えばストレスチェックの結果で、ある部署でストレス値が高いのはなぜか、個人の問題ではなく、マネジメントの改善で解決が図れるのではと分析。人事やマネジメント層に有効な研修プログラム、コーチングなどをご提案する、ということです」(荻原社長)。
 単なるストレスケアにとどまらず、職場のハラスメント予防も視野に、困難や変化を乗り越えて対応できる力を養う研修の需要が高いそうだ。
 「不安や不満など働く人が抱える悩み=『不』を解決し、本来の仕事に集中できる職場環境をつくることに最も力を入れていますね」(荻原社長)

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「これからは、社員の健康や職場環境の改善を図りたい積極的なお客様への『ソリューション提案』が重要になってきます」(荻原社長)

社員の意見を積極採用。働き方の多様性に寄り添う


 「『働くをよくするエコシステム』を創る企業として、自社の従業員が働く環境を第一に考えなくては」と力を込める荻原社長。臨床心理士などの資格保有者や、日々ソリューション提案をしている社員たちから自社にも使えるノウハウを積極的に聞き、実践しているという。
 その一つが年3日の「ウェルネス休暇」だ。以前は夏季休暇として取得可能時期が限られていたが、「私の所属するストレスチェックの運用部署は、夏が繁忙期。夏以外に休みが取れるのはうれしいです」とSC 運用推進部の杉山詩織さんが言うように、今年から取得時期の制限をなくした。
 また、杉山さんは入社2年目ながら部内の業務効率化のためにツールをつくり提案し、採用されたことがあるそうだ。「自分自身で考えて行動することが多いですね。分からないこと、不慣れなことがあっても、先輩たちがフォローやアドバイスをくれるので安心できます」(杉山さん)。
 社内SE の皆川彩乃さんも「上司に相談する時は、自分の中できちんと整理してから話すようにしていますが、『そこまで考え抜いて、結論が出ているのなら』と、意見を採用してもらえることが多いですね」と話す。
 更に、相談を受ける側が健康的であるようにと、シフト勤務で働くコンサルティング部では、変形労働時間制を採用。1日10 時間働く週休3 日制と、1日8時間勤務の週休2 日制を選択できる。営業部にもモバイルワークを許可するなど多様な働き方への対応にも柔軟だ。
 創業から今年で20年。この4月に新たにまとめた「ミッションステートメント(企業理念や大切にする価値観・ありたい姿)」は、荻原社長だけでなく、社員の想いを盛り込み、表現した。そこには働く人の不の除去・予防にとどまらず、「なぜその人がその会社で働くのか、働き甲斐・充実感・積極的な就業意欲を持てるか、幸福であれるか」といったワークエンゲイジメントとウェルビーイングの追求までが盛り込まれている。お客様だけでなく、同社で働く全ての人もそれを目指し挑戦を続ける姿に今後も注目したい。

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顧客への提案のために部署を越えた連携も。そのためには社員同士のコミュニケーションが欠かせない

ハツタロー・ケンジロー・なびでんちゃんのもっと知りたい!


社内ランチスペースでリフレッシュと情報共有


 社内のランチスペースは休憩時間に自由に使える一角です。本やお茶などが用意されていて、他部署の人とも交流できます。
 私は先日、相談オペレーターデビューを果たしたばかり。相談ブースに入ってしまうと、他の社員とはあまり顔を合わせられないので、この場所はありがたいですね。毎日クライアントの相談を聞いているので大変なこともありますが、そういう時に励ましあったりできます。守秘義務があるので同僚にも詳細は話せませんが、「今日は電話が多いね」などと話して、リフレッシュしています。他のみなさんがどうやってリフレッシュしているのか手法も学べます。(須藤さん)

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社員のリフレッシュも重要

●第13号 (2018年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
ピースマインド株式会社
設立・創業年
2004年
資本金
9,025万円
代表者名
代表取締役社長 荻原 英人
従業員数
76名( 内、女性従業員:53名 )
所在地
104-0061 東京都中央区銀座3-10-6マルイト銀座第3ビル8F
TEL
03-3541-8660