地主やビルオーナーなどに自動販売機の設置を提案・交渉し、設置から清涼飲料水などの商品の補充や集金、ペットボトルの回収といった管理業務まで手掛けるレイカ。独自のノウハウで都内全域に事業を展開し、幅広い飲料メーカーの商品を取り扱っている。
　「とりわけ、千代田区や中央区など都心のオフィスビルエリアは働く人も多い分、自動販売機の高い稼働率を誇っています。これまで培ってきたリサーチ力や交渉力によって、こうした稼働率が高い場所に設置できるのが当社の強みといえるでしょう」
　そう胸を張る田口代表は、設置先の開拓にはまだ余地があると話す。
　その代表例として官公庁や大規模な清掃工場、病院、大学などの教育機関を挙げ、交渉を進めていくと意気込む。
　オフィス街に自動販売機を設置している同社だが、現在、多くの企業がテレワークを導入するようになったために、オフィス街での自動販売機の売上げは先細り傾向だという。そこで同社では、住宅地での設置展開をスタートした。
　「まだ設置数はそう多くはありませんが、住宅地での新規開拓を強化し、売上げを確保していきたいと考えています。また、想定外のリスクも起こり得るので、新しい商材のインターネット販売も模索するなど、リスクの分散も図っていきます」（田口代表）
　同社では、室内や冷蔵庫内を消臭・除菌するオゾン発生装置の販売も行っている。感染症対策で需要が増えていることから、今後は、さらに力を入れていきたいという。

　同社では、毎月２回の朝礼で働き方に関するアンケートを取るなど、社員の声を積極的に取り入れ、改善を図ってきた。例えば、ルート営業は毎日、担当エリアの自動販売機に商品補充をしなければならないため、有給休暇が取りづらいという課題があった。そこで現場の意見を吸い上げ、チーム制を取り入れることで解決を図ったという。
　「マネージャーを含めた５名でチームを編成して、有給休暇を取得したい人は事前に申請し、その日はマネージャーなど別のスタッフが補充作業を行うというシフトを導入しました。これで社員も心置きなく有給休暇を取得できるようになりました」と語るのは入社25年目、ルート営業担当の古川部長。
　現在、同社では有給休暇取得率100％を達成。こうした社員が働きやすい環境づくりが認められて足立区ワーク・ライフ・バランス推進企業にも認定された。
　育児と仕事を両立させて活躍する社員もいる。入社５年目、市場開発課の菊地さんもその一人。
　「育児休業後に復職するときには、慣れた部署が働きやすいだろうという会社の配慮もあり、休業前と同じ業務を続けることができました。休業中も会社から定期連絡をもらえるなど、コミュニケーションを取れる環境があったので、特に不安に思うこともなく復帰できました」と笑顔で語る。