東京カイシャハッケン伝!

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株式会社酒井組

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豊かな自然の中にある地元密着の建設業。伝統の石積みとIT技術で成長し続ける

豊かな自然の中にある地元密着の建設業。伝統の石積みとIT技術で成長し続ける

<カイシャの特徴>
●事業内容:橋や道路など公共土木工事を担う
●仕事のやりがい:担当した工事が世の中に残る
●育成制度:未経験者じっくりと育てる
●働く環境:男性育児休業取得実績あり

培った石積み技術を礎に 丁寧な土木工事で他エリアからの引き合い増

 1894年に青梅市で創業し、約130年にわたって建設業を営んできた酒井組。西多摩エリアを中心に自治体の公共工事や民間工事に従事している。
 同社の特徴は、護岸や宅地に施工される「石積み」の高い技術力。今では施工できる職人が限られるという独自の技術を生かして、歴史ある寺社などの改修も手掛けている。
 現在、同社事業の中心となっているのは、河川や橋梁、道路舗装などの公共土木工事。ベテラン社員たちが、書類作成から工事進行、現場マネジメントまでを丁寧に行うことに定評があり、発注者である自治体から優良工事の表彰も受けている。山岳の多い地域で数々の土木工事を手掛けてきたことで培った、斜面補強工事等のノウハウを生かし、丘陵地帯の多い多摩東部などに公共工事の受託エリアを徐々に拡大しているという。
 「当社は地元に根付くことで、信頼される企業となることを目指しています。単なる建設会社ではなく、地域住民の困り事を解決できるような存在になりたいです」(須田代表)
 この言葉を体現するように、地元での建設工事だけでなく様々な取組を実施。住まいの困り事の相談や、自社駐車場でのマルシェ開催など、住民同士の交流や地域活性化も支援している。
 現在、同社は新しいテクノロジーを活用し、事業領域を拡大している。具体的な動きの一つが、2022年に立ち上げた測量部。レーザーを利用した3次元測量とドローン測量というITを活用した事業に参入した。
 きっかけは、地元の消防署との会話にあったという。
 「西多摩で山林火災や災害があった場合、我々のような建設会社が初動で救助を支援できるのではないか、という話になりました。例えば、人が立ち入ることのできない危険なエリアをドローンで事前調査できれば、救助隊のリスクは減るはずです」(須田代表)
 測量部の事業を軌道に乗せることで、行く行くは、パソコンやデータ分析に興味がある若い人材が活躍できるような会社にしていきたいと須田代表は熱く語る。

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本社社屋があるのは、東京の西の最奥部に近い自然豊かな場所

地域に欠かせない工事。担当した橋や道路を見てやりがいを実感

 同社の手掛けた工事は西多摩エリアの至る所に残っており、日常的に目にすることができる。自分の担当した仕事が形になり、暮らしに欠かせない存在になっているのを見ることが、社員にとって大きなやりがいになるという。
 手掛けた工事によって、これまで片側一車線で渋滞していた道路がスムーズに流れるようになったと話すのは、入社25年目、工事部の雨宮部長。
 「鉄道の下を通る岩盤をダイナマイトで砕いて道を拡張する、という大掛かりな工事でした。ちょっとした振動で上を通る電車が止まってしまうので、非常に難しい工程でしたが、関係各所や地元の協力もあり、無事に終えることができました」

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「地域と共に歩んでいく会社。豊富な実績も強みです」と雨宮部長(左)

質問しやすい雰囲気の中 現場OJTと資格取得で約3年かけて独り立ちへ

 近年、新卒採用に力を入れ育成環境も整えてきた同社。外部でのマナー研修を受講した新入社員は、先輩のもとでOJT研修に入っていく。新人とベテラン現場代理人がチームを組んで仕事をすることで、新人は数々の知識を吸収し、ベテランは指導力を身に付けるという好循環が生まれている。
 また、若手の資格取得も推奨しており、2級土木施工管理技士資格の合格者には受験料等を全額支給。現場で仕事を覚えながら資格取得し、小さな案件を担当できるようになるまで3年程度かけて成長していく。
 「同じ現場が一つとしてないのが面白いです。入社したばかりの頃は専門知識がなく何も分かりませんでしたが、先輩が優しく手取り足取り教えてくれました。質問もしやすい雰囲気です」(入社2年目、工事部の加藤さん)

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「現場から本社とのオンラインミーティングも実施しています」(加藤さん)

ITツールをうまく活用しオンラインで業務を進行。プライベートも充実できる

 須田代表のモットーは「私生活の充実」。一人ひとりが残業削減に努め、しっかりと休むことを大切にしているという。そのために、ITツールを積極的に活用。オンラインミーティングやクラウドツールを導入し、個々に支給されたノートPCを活用することで、直行直帰が可能となっている。
 さらに、同社では男性社員が6カ月の育児休業を取得した実績がある。
 「現場との調整は大変ですが、今後も取得希望者がいれば体制を組んで協力していきます」(須田代表)

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測量部で導入した3Dレーザースキャナーで測量中。ITを活用し事業領域を拡大している

代表からのメッセージ

 コミュニケーションスキルが重視される仕事です。一つの案件で関わる人が非常に多い仕事なので、人への対応力が求められます。

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須田代表

このカイシャが10秒でわかるムービー

ムービーはこちら

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●第33号 (2023年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
株式会社酒井組
設立・創業年
設立年 1985年4月
資本金
4,000万円
代表者名
代表取締役 須田 晶子
従業員数
14名(内、女性従業員数3名)
所在地
198-0171 東京都青梅市二俣尾3-843-6
TEL
0428-78-9333