働き方改革の一環として、時間外労働の上限が法律に規定され、2020年4月から全ての中小企業で適用されています。一方で、運輸業、建設業、医業については、時間外労働の上限について適用が5年間猶予されており、この期間が終了するのが2024年4月。働く時間が短くなることによって懸念されるドライバー不足などを総称して「2024年問題」と言われています。
この特集のPOINT
「2024年問題」って何だろう?
Case01
【運輸】
ムサシ交通株式会社
配車アプリで誰もが安心して公共交通機関の担い手に
働き方を変えた配車アプリ
現在、多くの人が利用している配車アプリは、タクシー乗務員の働き方を大きく変えました。アプリ搭載のタブレット端末があれば、無駄に走行することなく、お客様のいる場所へ効率的に移動でき、未経験者でも安心して働くことができるのです。当社では、この他にも長時間勤務を防ぐためのメーターの導入や複数の勤務形態などで、働き方改革を進めています。
第二種運転免許、運行管理者など
タクシー乗務員として働くためには、まず第二種運転免許の取得が必要です。入社後に、契約している自動車教習所に通学して取得が可能ですし、費用は全て会社が負担します。その他、国家資格である運行管理者は会社には欠かせない資格です。もし乗務員から運行管理者にジョブチェンジの希望があれば、費用等をサポートして取得を応援します。
Case02
【建設】
株式会社第一リフォーム
IT化に力を入れ、マンションなどの大規模修繕工事を担う
IT化で業務効率化
10年程前から、現場だけで業務が完結するように、ネットワーク環境を整え、IT化による業務効率化を進めています。現在は、社内SNSを活用し、仕事の進捗や現場の写真を共有することで、現場や事務所への移動時間を減らしたり、細かいコミュニケーションを取れるようになりました。結果として、残業削減や有給休暇の取得しやすさにもつながっています。
建築施工管理技術士1級、2級など
当社のような大規模修繕工事を行う企業では、現場監督として、工事の進行を行う国家資格が必須。そのため、社員に特に推奨している資格として1級、2級の建築施工管理技士があり、有資格社員による社内講座の開催や、合格者には受験費用と毎月の資格手当を支給しています。そのほかにも、取得したい資格があれば挑戦しやすい環境です。
Case03
【福祉】
社会福祉法人竹清会
職員同士で協力し、高齢者の身の回りのサポートを行う
長く働き続けられる勤務体制
当法人には、10代から80代まで、様々な年代の職員が在籍しています。子育て中や介護中など様々な事情があっても働き続けられるように、短時間正職員や夜勤のない部署への異動も可能です。また、利用者の介護情報を携帯などからいつでも見られるようにし、他部署や他施設の職員もヘルプに入りやすい環境を整え、職員の急な休みなどにも対応しやすくしています。
介護職員初任者研修、介護福祉士など
介護業界の多くの会社は資格取得が昇給や昇格などのキャリアアップと結び付いています。当法人でも資格取得時の講習費や受験費、報奨金を支給しており、資格取得を奨励。介護職員初任者研修から始まり、介護福祉士実務者研修、介護福祉士、主任介護支援専門員など、現場での実務経験と資格取得を進めながら技術も給与も上げていくことが可能です。
●第36号(2024年3月発行)掲載