障害者の生活支援を行っていた2018年に脳出血を発症。自身が車椅子ユーザーになりました。無理なく働ける方法について職場から提案があり、現在は非常勤職員として週28時間就業。当事者視点で利用者の相談に応じ施設との橋渡しをする、カウンセラーのような業務を担当しています。心掛けているのは、障害があっても決して消極的にならないこと。毎月利用者有志で開催される親睦会の担当など、自分の過去の経験と現在の境遇が生きる仕事があることは、自身の活力になっています。今後は相談支援専門員の資格を取得し、自身の一人暮らし経験と合わせ、利用者が地域で自立した生活を送れるよう支援することが目標です。
ダイバーシティ経営とは「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義されています。(経済産業省HPより)
ハッケン伝!企業の中から、様々な立場で活躍する4名に話を伺いました。
DIVERSITY01
社会福祉法人全国スモンの会
生活支援部畑さん
障害を持ちながら、自分のできることを探し続ける
DIVERSITY02
株式会社イートラスト
開発部 担当課長楠瀬さん
育児休業を取得したパパ開発者
妻の出産後、男性社員として当社初の育児休業を3カ月取得しました。現在は週2日の在宅勤務をしつつ妻と協力して育児と家事を頑張っています。1週間のスケジュールを夫婦で共有することを心掛け、時短勤務中の妻とスムーズに育児分担できるように工夫しています。実際に育児を経験することでその大変さが分かりましたし、親としての実感も強くなりました。取得を考えている方にはまず、育児休業制度について詳しく調べてみることをお勧めしたいです。今後の目標は、開発している防災システムをより使いやすく分かりやすいものにすること。子どものためにもバリバリ働いて、しっかりとしたキャリアを築きたいと思います。
DIVERSITY03
プラネットワークス株式会社
Global Operations Team/Managerダクイオアグ・リチャードさん
来日8年目、未経験のIT職種でリーダーに
2015年にフィリピンから語学留学をきっかけに来日して、現在は当社グローバルオペレーションズチームのリーダーを務めています。主な業務は顧客のPCやネットワークにトラブルが起こった際に、海外メーカーの担当者と国内のお客様を英語と日本語でつなぐことです。言葉を学ぶきっかけは、アニメを日本語で見られるようになりたかったから。ITスキルは、来日してから現場で仕事を覚えつつ、技術書を読んで身に付けました。未経験のIT系の勉強を独学するのは大変でしたが、日本で暮らしたいという目標を見失わずに頑張りました。外国人の皆さんには必要な情報を確実に手に入れるために、しっかり日本語を身に付けてほしいと思います。
DIVERSITY 04
株式会社プラグマ
給与・労務チームマネジャー北村さん
家族の認知症介護を職場に伝え、仕事と両立
社会保険労務士として、企業の労務関係の業務をサポートしています。そんな中、父が認知症を発症しました。それ以来、在宅と出社を状況に応じて使い分けながら働いています。現在は父の症状も安定していますが、発症直後は状態が悪かったこともあり、家から一歩も出られませんでした。そのときは会社に相談し、すぐに在宅勤務に移行。メンバー協力のもとフルフレックスタイム制度(コアタイムなし)を活用し、スケジュールを調整して働き続けることができました。家族の介護のことを会社に伝えるのは勇気がいるかもしれませんが、私は隠さずに話しています。介護と仕事を両立させ活躍し続けられる人が増えるように、自分の体験を伝えていきたいです。
●第30号(2022年10月発行)掲載