1日の労働時間を変えずに、始業時間と終業時間を変更することができる働き方です。従業員のライフ・ワーク・バランスの充実につながるほか、満員電車を避けることによる感染症対策としても効果的です。
働きやすい環境を作るために、今までのワークスタイルを変える中小企業が増えています。
ここでは、時差出勤、フレックスタイム制、テレワーク、短時間勤務の4つの働き方とその事例を紹介します。
中小企業に聞きました!
導入している制度を教えてください!
時差出勤
Work Style01
株式会社シーエスラボ
子育て中の社員を応援!
- いつから?
- 子育て中の社員を支援するため2017年に導入。当社では小学3年生以下の子どもを持つ全社員が活用できます。子育て事情は様々ですから、面談を行って個別に始業・終業時刻を決めています。現在、営業部、購買部の女性3名が活用しています。
- 社員の反応は?
- ある社員は始業と終業を1時間前倒して、子どもと交流する時間に充てています。また、別の社員は、朝一通りの家事を済ませたいと30分遅く出社しています。「子どもを迎えに行くことができる」、「家事を済ませスッキリとした気分で出社できる」と好評です。
フレックスタイム制
一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、日々の始業・終業時間、労働時間を従業員が自ら決めることのできる制度です。必ず勤務しなければならない時間帯「コアタイム」があるのが一般的です。
Work Style02
アクトインディ株式会社
コアタイムなしで推進中!
- いつから?
- 家族と夕食を共にしたいという社員の声を受けて、2015年に導入。1か月を平均して1日8時間の勤務時間を満たすようにチーム内での調整をした上で、出退勤時間をライフスタイルに合わせることが可能です。社員の9割が活用した経験があります。
- 社員の反応は?
- 子育て中で、週に数回遅め出社・早め退社をし、子どもの送迎や家族で過ごす時間に充てている社員もいます。また、特定の日だけ早退して趣味の演劇・音楽を鑑賞したり、勉強会に参加することもできます。「家族と過ごせる」、「自己研鑽できる」と喜ばれています。
テレワーク
情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます。
Work Style03
株式会社LIGUNA
地方在住の社員が常時利用中!
- いつから?
- エンジニア職の男性社員から、結婚を機に地方にある妻の実家で仕事を続けたいと相談を受け、2015年に在宅勤務を導入。他の社員とのコミュニケーションが滞らないよう、ビジネスチャットツールを使うなど、リアルタイムで対話できる環境を整えています。
- 社員の反応は?
- 在宅勤務中の社員は、仕事部屋を出ればすぐそこに家族がいるため「家庭と仕事の両立が実現できている」と喜んでいます。その後3名にも適用しましたが、家庭の事情に合わせて柔軟に働けるよう、今後、さらに社内に浸透させていきたいと考えています。
短時間勤務
3歳未満の子どもを育てる従業員等を対象に、1日の労働時間を原則として6時間にすることができる働き方。働きながら子育てや介護をすることを容易にするため育児・介護休業法で義務化されています。
Work Style04
社会福祉法人にじの会
十数名が利用中!
- いつから?
- 子育てや介護中の職員を支援するため2009年に導入。週30時間以上働くことを条件とし、子どもの年齢を問わず利用できます。現在、女性8名、男性5名が活用中です。制度利用者を支えるために全員が「チームワーク」を意識して、手を貸し合う風土を推進しています。
- 社員の反応は?
- 子育て中の職員は通常より勤務時間を1時間短縮し、子どもの送迎や家事と両立。親の介護をする社員は勤務時間を1時間短縮し、デイサービスへの送迎等を済ませて出社しています。「子どもの面倒を見られる」「親をサポートできる」と喜ばれています。
●第21号(2020年8月発行)掲載